中心と重心

「真ん中に乗るってどういうこと?」という質問を受けたので考えてみました。
僕個人の捉え方、というか考え方だと言うことは念頭に置いて参考程度にしてください。
僕は最近、こうしたことを重心で考えるのが流行りです。マイブームis重心。
ちなみにサドルに座らない状態で考えます。
まず、重心というのは、物体の重量の中心のことですね。
簡単に言うと、その中心にヒモをつけて吊るすとどんな状態になっても安定する。
物体を置く時にはこの重心が接地点の中心にこないと安定して立てません。
ちなみに、この点をずらして吊ったり置いたりしても、物体は重心が真ん中に来るように動きます。
重心は物体の形状が変われば変化します。
自転車は人間が乗っていますし、重量の比重が人間の方が多い割に人間の方が姿勢変化量が大きい&衝撃で簡単に動いてしまいますので、自転車の重心とは不安定なものです。
そのかわり姿勢を変化させることでどこにでもある程度の範囲で重心を移動させることができます。トライアルなどはこの重心の移動を使ってさまざまな動きをします。
ライディングでよく言われるのは「BBの上に乗る」です。
まず、BBの上に乗るというのはどういうことかというと
↑クランクとペダルだと思ってください。。。
左右(前後)のペダルに均等に力が乗っている状態のことですね。
一応どんな箇所でもペダルを止めることはできますが、楽なのは左右の高さが一緒の時と、どっちかのペダルが下がりきったとき。
で、自転車にこの絵を入れてみます。
適当な絵ですいません
こういう事です。赤い斜め線は反力の合点を適当に。
(蛇足ですが、人間の重心は普通に立った状態でだいたいヘソの位置に来るそうです。もちろん、姿勢が変わればその位置が変わります。身体の外に来ることもあります。)
さて一方、走行中の自転車の重量は「人間+自転車」です。
そしてその重量を支えるのは前後のタイヤの接地点。
ということで、前後輪の中心(安定するであろう水平重心位置)に垂線を引き、接地点からの線を引いてみました。(オレンジの線・重心の高さは感覚(笑))
明らかにBB上からズレます。絵は適当ですが実物とあまり大きく外れていません。
最初にも書きましたが、重心は接地点の真ん中に来るように働きます。つまりペダルに全ての体重が乗っていると、自転車は不安定な状態でいることになります。(左右のバランスの件は置いておきます。)
では、どうやってこの中心線に重心をつくりましょう?
自転車は変形しませんから、自身の姿勢を変化させます。
そもそも、ペダルは左右均等に荷重を乗せないと回ってしまいます。
ということで
青い矢印はペダル均等の力
赤は可動部分
両ペダルに荷重を乗せたまま、頭の位置や腰の位置などを動かして調整します。
両足に重量(下半身)を残したまま、背中を倒し、上半身で重心位置を調整してやる感じですね。倒すだけでは前に行き過ぎる場合は腰の位置を前後させたりして調整します。
また、背中を倒して筋力で保持できなくなった分の荷重はハンドルで支えることになります。
僕はMTBスクールで「ハンドル(またはステム)の上に顔を持ってくる」という説明をします。これをするとどんな時も身体が若干前に移動し、重心が中心線に近くなり、ハンドルがフラフラしません。
我ながら乱暴な説明だとは思いますが、初心者にも分かりやすく、実際効果が高いものですから(笑)
あとコントロール上の理由もあるのですがこれは割愛
「BBに乗る」から説明される方も、そのあとに「そのまま上半身を倒しハンドルを握ります」と付け加えていると思います。この「上半身を倒す」が重心を前に移動させます。
また、上手な人が突っ立って乗っていても安定しているのは、突っ立っているなりにこの自転車の真ん中に重心を合わせているからですね。
さて、実際に走行する自転車は、この重心が進んでいるということ。
MTBのように路面が不安定であれば、いつも真ん中に乗っていればいいのかというとそうでもないですよね。ですが、さまざまなポジションの考え方の起点となります。
考え方の基本として参考にしていただければと思います。
自転車はこうした重量配分や、身体的特徴を考慮して身体の出力を重視したり、身体の自由度を考えながら、目的に合わせて設計されます。
もちろん、その目的別の自転車には目的別のフォームがあり、どれが正しいということはありません。乗る人の体格などによってもフォームは変わって当然だと思います。
そのあたりを探りながら感覚や経験を頼りにポジションを出していくというのも自転車の楽しさの一つですね。
それを楽しむようになったら一流のポジションマニアだと思います(笑)
ということで、真ん中に乗るということを考えてみました。
答えになっていれば幸いです。
今日はここまで。
参考:「重心」について、あらためてこちらのブログに書いています。
→『ペダルの上で考える:自転車と重心』

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