レポート:補助輪はずし講習と考えたこと(2016.11.28追記あり)

10月12日は補助輪はずし講習会でした。ちょっと報告遅れましたが。。。
これは多治見市体育協会さんからの依頼で行っているもの。

1回1時間4名のクラスを2回。
1クラス目が午後4時からの開始なので2クラス目が終わる頃には真っ暗。
明かりのある場所でやっているのですが、それでも暗いところに入るとバランスが難しいですね。。。
それでもみんなで頑張って練習しましたよ。
乗れるようになった子も、惜しかった子も、その後ちょびちょび遊びながら乗れるようになるといいなぁと思っています。

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こういう講習では、それぞれで自転車を用意していただきます。
そうすると、どうしても身体に対して大きかったり小さかったりするんですよねー。。。

で、一緒に練習しているうちにある程度乗りやすい大きさやセッティングの傾向と目安がついたので、下に書き連ねてみます。

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まずハンドルの高さ。

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参加してくれた子達を観察していると、ハンドル高さはサドルに座った状態で「みぞおち」よりちょっと高いくらいまでが上限かなぁと。
あんまり高いと、上半身が起こされてしまい、自転車が進むときに身体だけが置いていかれてしまいがちになります。

低さの下限は、ペダルが一番高いところに来た時にヒザよりも高いくらいがいいと思います。サドルに座って「腰骨の上のあたり」くらいですね。
あんまり低いと、前を見るのが辛くなるので、これも注意です。

まぁ乗れるようになったらこの辺りはあまり気にならないと思いますけどね。

実際にはハンドルの遠さとか形状とかによっても若干違ってくると思いますのであくまで目安として。

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次に、サドルの高さ。

補助輪はずしでは定番の、補助輪とペダルをはずして地面を足で蹴って進む練習しますよね。
この時には、両足がしっかり地面に着いた方が蹴る力も伝えやすいのですが、その高さのままでペダルをつけて乗るとペダルとサドルが近すぎてうまくペダルを回せないことがあります。

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サドルが低すぎると、ペダルが最上部を通る時に脚が曲がりきって邪魔をするのでペダリングが上手にできません。
理想を言えば、ペダルが一番高い時に「太ももが水平」くらいがいいのですが、そうすると自転車によっては足が地面につきにくくなってしまい、怖く感じる子もいます。
徐々に慣らしながら、少しづつ上げていくのがいいのかなと思います。

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ペダルを外した状態から練習を始めた後、再度ペダルを付けるタイミングについて。

ペダルを外した状態で両足を地面を蹴り、その後、足を浮かせたままで走ることが安定&怖くなかったらペダルをつけて問題ないと思います。
この状態なら自転車を一緒に進みながらハンドルで操作できています。

ちなみに、地面を蹴って進むのが、性格的に苦手(嫌がる)子もいます。
あの練習、骨格だったり自転車の大きさだったりで股間が痛いこともあるようですし、爽快感もないので気分的に乗らない子もいるようです。

この場合、『背中を押して』進めてあげるといいと思います。
背中を押されながらでも足を地面につけずに乗ることができれば、それは自分でバランスをとりながら進むことができるということです。

このどちらか、または両方の練習をした後に、ペダルキャッチ、ペダリングの推進力で安定する感覚を捉えたら乗れるようになるのはすぐですね。

=以下 2016.11.28追記=

ペダルをつけた後も、最初は横で補助をしてあげるといいと思います。
この時も、背中を押すことで推進力をサポートしてあげ、もしふらつくようであればハンドルを「横から」そっと支えてあげます。この時、サポートがギュッと持ってしまうと、補助輪をつけているのと変わらないので注意が必要です。

スタートのペダリング位置は、地面と水平かちょっと高いくらいがいいのですが、最初はなかなか理解が難しいことがあるので、あまり厳密に考えなくてもいいでしょう。
片足がペダル、片足が地面を蹴る、ということができればまずは十分です。

スタート時のペダリング&地面キックで得て進んでいるうちに地面を蹴った足がペダルに乗れば、そのあとはペダルを回すだけですので、乗れるまですぐです。

=以上追記終わり=

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最近?、テレビで自転車に乗れない大人のタレントさんが下り坂で練習し、乗れるようになったという場面が放送されたようです。
これ、上に書いた「手で押す推力」を下り坂が肩代わりしているわけですが、自転車は下り坂ではどんどん加速していきます。
さほどスピードの乗らないちょうど良い坂があればいいのですが、その場合も加速し続けていく自転車に対して怖がっていないかなどの確認は大切です。
また、自転車に乗り始めの子供は、ブレーキが上手に掛けれないのも織り込んで練習方法を選んでくださいね。

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とても根本的な練習に、「自転車を押して歩く」というのがあります。
ハンドルの両グリップを持って自転車の横に立ち、自転車を押しながらまっすぐ歩いたり、ちょっと曲がってみたりします。

車輪の動きに慣れていない子の中には、「車輪(自転車)は真横に移動しない」「進みながらじわじわ方向を変える」ということが感覚的にわからない子もいます。
それを知って感触をものにするための練習ですね。

この練習の最中にやたらと倒れてしまう場合は「自転車が大きい(重い)」か「体格・筋力の不足(成長すれば問題なし)」などが考えられます。
この場合には、あまり頑張って乗せようとしないで、補助輪をつけて楽しんだり、キックバイクで遊んだりして車輪のある自転車に慣れていくといいのかなぁと思います。

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自転車に乗れるようになるには「怖さ」の克服が付いて回ります。
人間は歩いている時には足を止めれば止まりますが、自転車などの車輪のついた乗り物は、足を止めても進んでしまいます。
また、車輪によって滑るように前に進んでしまう感覚にも馴染めないうちは怖さを感じたりします。

怖さを感じてる時には、「アゴが上がる」「背中が丸まる」「前のタイヤの手前を一生懸命見る」などの特徴があります。
こうなっている場合にはあまり焦らず、安心感を持って乗れるように少し強く支えたりするといいんじゃないかと思っています。

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自転車ですから、ある程度の体格と筋力があればそのうちに乗れるようになります。
小さなうちから乗れないといけないというわけではないので、ゆっくり向き合っていただければと。

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なんだかダラダラと書いてしまいましたが。。。ちょっと苦手意識がある子だったり、ご苦労なさっている保護者の方などのお役に立てれば幸いです。

ではでは。