考える:子ども達の今後の感染傾向などについて(2021.8.29)

 『リトルバイキング・たじみ定期会』をまたしばらくの間開催を見合わせることにしました。

 こちらでは告知していなかったのですが、あちらのサイトではうまくすれば9月くらいから開催できるかなー?みたいな告知をしていたんですよね。
 そしてこの状況なわけです。

 開催についてはまた今後の動向を注意深く観察しながら、時期が来たら再開したいと思います。

 寺子屋なども同様で。

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 リトルバイキングの対象は、主に東海地方の小学生。
 ですから、その範囲にとっての今の状況について調べ考えたことを述べておきます。

 僕は医療や感染症の専門家では無いですが、実在のデータや情報を使って予測を述べることくらいは許してもらえると思います。

 まず東海地方においては、首都圏などに比べて8月に入ってから増えだし、10日以降から増加率が非常に高くなり相当の感染者数を出す事態になっています。

 この状況下、人が集まる場所ではウイルスに接触する可能性は高くなり、さらにデルタ変異株の感染力によって、それまで大丈夫だった対策レベルでは不十分=感染してしまうと考えられます。

参考
◆ 新型コロナウイルス感染症の直近の感染状況等(2021年8月25日現在)|NIID 国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/10597-covid19-ab49th.html


 最近、専門家の方々による空気(エアロゾル)感染についての提言もあったりしましたしね。実際の細かいところはまだ検証されていくのでしょうが、空気感染するくらいのつもりで対処しないと感染の収束は望めないということだと捉えています。

 

 日本で最も早くデルタ変異株への置き換えが進んだのは東京都ですから、その東京都のこれまでの状況を見ることで、その後に感染が増加した地域の今後を予測することができると考えています。

 以下は、東京都の7月からの「10歳未満・10代・その合計の感染者実数のグラフ(上)」と、「新規感染者数に対してそれぞれの年齢層の割合を示したグラフ(下)」です。

[上]7/1~8/26 東京都「10歳未満」「10代」の新規感染者数(7日間平均)
東京都発表資料より筆者作成 入力データ
[下]同年代の新規報告数割合と報告総数(ワクチン接種の進んだ65歳以上を除く)
東京都発表資料より筆者作成 入力データ

 

 上の2つのグラフから、以下のようなに考えました。

  • 総感染者数の増大によって、幼年・若年層でも感染者数が増えている(上のグラフ)
  • 幼年・若年者の割合がじわじわと増えてきていること(下のグラフ)
    7月終盤に一旦減少しているのは、(上の実数グラフは増え続けていることから)他の年代の感染者数が急激に上がったため相対的に割合が下がったと考えます。
    8月からは一定の割合で増加を続けていることから、これらの年代に対する感染力が増えていると考えます。
  • (両方のグラフ共に、8月後半からは救急の飽和状態などから集計に影響が出ている可能性)

 感染者数の増加だけではなく、その割合も増えてきていることから、やはりこれまでよりも10歳以下・10代に対する感染力が増していることと考えられます。
(ワクチン接種の進んだ65歳以上の感染数が減っていることから、その数を総数から除いてみましたがやはり低年齢層の割合は増加)

 ただ、10代については、義務教育終了前と後では随分と行動が違うと思われますので、その辺りは考慮したいところですが、そうしたデータが見つからず・・・。

 「10歳未満と10代を足しても18%程度じゃないか」と思われるかもしれませんが、毎日の新規感染者数が2000人を超える大阪府や愛知県に当てはめると、毎日360人くらいこの層で感染することになりますね。その場合、その体内に感染させるだけのウイルスが8日間持続する(もっとも多い例)とすると、低年齢層だけで常時2880人ほどの感染者が何らかの医療or隔離などの対処を必要としていることになります。

 この低年齢層への感染力が増した原因は「デルタ変異株」であると考えられています。
 他の要因もあるかもしれませんが、大きな要因の1つであることは様々な報告を見ても間違い無いでしょうね。

 その変異株が全国に広がったと考えられる状況の中で、夏休みが明けて学校が始まった現在、低年齢層での感染がさらに増える可能性について危惧されています。

 ですから、今後しばらくは学校に通う子ども達の体調の変化などには特に注意が必要で、不調と思われる時には大事をとって休ませるなどしたほうが良いと僕は考えます。
 これは毎日の新規感染者が多かったり、感染経路不明率が高い地域ほど必要な措置だと思われます。

 

 低年齢の子ども達が感染しやすくなるということは、家庭にウイルスを持ちこまれる経路が増えた、ということになります。

 これまでは大人が家庭内にウイルスを持ち込まないように注意していれば、家庭内感染は防げたのですが、今後は子ども達からの感染も気をつけなくてはならないということになります。

 家庭内の誰かが感染した場合、高確率で家族全員に感染が広がるのは変異株以前からのことです。変異株に置き換わった現在、その確率はさらに上がっていると考えます。

 ですが、子ども達みんながいつも必ずその場に適した対策行動ができるわけではありません。それを強く要求することで精神的なストレスが増え発育に影響を与えることも考えられますし、感染したことを責めるなんてこともあってはなりません。

 ですから、家庭をはじめとする子ども達の過ごす範囲にウイルスを持ち込まないよう、周りの大人がしっかり対策をしながら子ども達をウイルスから遠ざけ暮らすことが必要だと僕は考えます。
 皆でそうすることで、結果的に学校などの子どもが集まる場所にウイルスが運ばれることを抑えることができ、結果的にその先への伝播、そして感染の拡大を防ぐことになるのではないだろうかと考えます。

 なんにせよそれぞれの持ち場で出来うる限りの対策を。
 そうすることで社会全体の感染の抑制につながると僕は考えています。

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 そうした周囲の大人にできる対策の1つとして、きちんと理解をしていただいた上でのワクチンの接種があります。
 それぞれで接種について考える際は、出どころのしっかりした情報によって考えていただきたいなと思います。

参考サイト

◆ 厚生労働省|新型コロナワクチンQ&A
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/

◆ 新型コロナのワクチン、打った方が良い?~mRNAワクチンの効果と安全性、よくある誤解
https://www.fizz-di.jp/archives/1078840555.html

2つ目のサイトは、薬剤師さんのサイトですが、非常にわかりやすくい&信頼性の高い論拠によって構成されているものです。
接種に対して不安になる情報に触れた時に役立ちます。

 

「ワクチン接種したくても予約できんのじゃー!」とお怒りの方は、下のTwitterリストを時折チェックしてみてくださいな。

◆日本各地の接種会場の空き情報などをtweetしてるアカウントのまとめリスト
(作成:知念実希人さん 小説家・医師@MIKITO_777)
https://twitter.com/i/lists/1407702448773337089

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 現在、COVID-19の蔓延状況は芳しくありませんが、それぞれ個人が緊張感を持った対策を継続することで、十分に収束に向かうはずのウイルスだと考えています。

 たまに「政治が」とおっしゃる方もいますし、僕も言いたいことが山ほどありますが、それでもまずは個人個人の理解と行動があった上でのものです。

 何しろ、感染してひどい目にあうのは、自分自身と周囲の方々ですからね。

 僕がいうことではないかもしれませんが、どうか感染の収束に向けて行動していただければ嬉しいです。

 それでは。また。