レポート:暑い日の寺子屋でした(2019年9月開催)

9/8(日)は寺子屋でした。
今回は、参加が午前の部のみでしたが、天気予報以上に朝から暑くちょうどよかったかも(笑)

朝イチで準備運動してるだけで汗が吹き出てましたからね。。。

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さて、この日の寺子屋は、トライアルからジャンプバイク、フルサスのマウンテンバイクなどなどでのご参加。
参加者さんそれぞれの練習ができる『寺子屋』ならではの光景です。

ストレッチなどの準備運動の後、自転車に乗っての準備運動を兼ねてみんなで同じ課題に取り組みます。
この日は、初めて参加の方もいましたのでスラローム。途中から障害物追加して、縦の動作をコーナーリングに加えてみました。

コーナーの曲がり始めでは、それまでまっすぐ進んできた自転車(含むライダー)の勢いを変えてやることが必要です。
ただハンドルを曲げたり自転車を倒しても、自転車よりもはるかに重たいライダーの進む勢いを変えてあげないと方向が変わりません。

ですから、いったん身体を少し上に持ち上げた後、曲がりたい方へ身体を向けて落とすようにし方向を変えます。変えるっていうか「置き直す」感じ。

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バイクをしっかりコントロールするためには、自転車と身体の位置関係(その前後の動作も含めて)が大切です。

僕の場合、それをハンドルと頭の位置(高さ・前後)の意識によって作るようにしています。

急な下り坂であっても、頭はハンドルの上に位置するようにします。
この時、出来るだけ低く構え、自分も下に降りていく意識があると良いですね。

この時の『ハンドルの上』は重力の引く方向(鉛直)に対しての『上』です。

この場所に位置する感覚は、視覚的なものに頼らず、ハンドルグリップの上から『手を置く』ようにしてから握り、その手のひらが『自分の頭の重さ』で抑えているくらいの感じ(あくまで感じ)が手がかりになります。

これは急坂だけではなく、どんな時にも大切な感覚になると考えています。

この後、下り坂での急なターンなども練習しましたが、上にあるようなコツを一つひとつなぞるようにしていくだけでかなりスムーズに曲がれるようになったと思います。

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地味なところをおひとつ。

トライアルのこぎ出しの時、いったんペダルを戻してこぐ時や、空走(自転車が進んでフリーが空回りしてる)状態からの踏み出しで、しっかり力を伝えるための練習をしました。(写真は練習前)

この型の場合は、前足のタッチの感触を育て、左右の足の動きの差を体に染み込ませるための練習として取り入れました。

世の中、多ノッチ化によってペダルを踏み出してからノッチに当たる(力が伝わる)=『タッチ』する瞬間までの距離的なロスは少なくなっていますが、それでも空走からのタッチ(当たり)のコントロール?は大事な要素です。

足を踏み込み始めてからノッチに当たるまでの抵抗のない状態を、いきなり全力で足を伸ばしてしまうとノッチに当たった瞬間の反力も大きくなり、跳ね返すような力が発生します。
反対に、ノッチに当たってからより力を出して踏む(踏み込む)ようにすると、『タッチ』の瞬間の跳ね返りが小さく、またしっかりと力を伝えることができます。

例えるならば、、、6段くらいの跳び箱を足の裏で蹴って(前蹴り・16文キックの要領・伝わる?)動かそうとする時、勢いをつけて足を伸ばしながら蹴ったら瞬間的に跳ね返される&たいして動かない&かなり痛そうなのに対して、足が当たってから足の裏で押すように蹴った方が大きく動く&反発少ない&痛くないの理屈。。。伝わるかな。。。

対象に接触する前から大きい筋力を動員してペダルを踏むと、対象に当たった瞬間に大きな反発が発生し、身体は反射的に筋肉を弛緩させてしまいます。(人間の体には筋肉を傷めない為にそうした保護機能がある)
それでも強行に踏み続けられ(個人差)ても、タッチした瞬間の『大きな反発力』とそのあとの『ペダルが動きながら抵抗を発生させている』状態との『力を伝える対象(抵抗)の大きな変化』に動作のコントロール・連動が難しい状態になるのでは?と考えています。

丁寧なタッチ、とでも言えばいいのかな。
トライアルなどのこぎながら跳ぶ系の動作ではとても大切な要素だと考えています。

話は逸れますが、この動作の途中に瞬間的に現れる大きな抵抗に対して耐えられる人(筋肉量などに関わらず個人によって違いがある)ほど筋肉や腱の怪我が多いとのことなので、自覚のある方は自分の動作とその動作によって力が伝わる感触を意識して動くように癖つけると良いと思いますよ。

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堅苦しい話になりましたが、基本的に寺子屋はなんでもあり(僕に教えられる範囲で)なので、時々遊びっぽい感じの練習もリクエストされたりします。

高さ30cmの段差に木材を立てかけて一本橋で登るという課題。ご本人の希望ですよ。

最初は太めの2×8材を使って慣れて行きます。
登り始め、木材に前輪が乗ってから後輪が乗るまでの間は、自転車の角度がずっと変化していきます。
この時、その角度変化に身体が付き合ってしまうとバランスを保つのが難しくなるため、自転車の角度に関わらずハンドルが頭の下(鉛直下)にあることを第一に考えます。
また、頭の位置が高くなるとペダリングに体重を載せられなくなるので、あくまで頭は低いまま。
幅の狭さにビビってしまうと、頭は高くなるし後ろへ退いてしまいがちになるので、ここはぐっと我慢の子。
そっちの方が安定することがわかってしまえば、自然とそうした動きになっていきます。

最終的には、2×4材でも余裕で登れるようになりましたとさ。

もちろん、この方はこれだけではなく、マニュアルなどの練習も頑張っていただきましたよ。

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そのマニュアルです。

すでにこれまで何度も参加している方なので、話が早い。

手前の倒してあるパイロンで前輪を上げ、先にある木材に後輪が当たるまで続けられるように頑張ります。

マニュアルも、上げ方にいろんなものがあるのですが、そのまま走り続けたい時には頭の高さを低くしそのまま前後に揺らすようにして動くと良いようです。

これは、自転車の性格などにもよるのですが、この『頭を低くして水平に動かす』を基準に、ちょっと最初の頭の高さを調整してみたりして試してみると良いと思いますよ。

で、このかたはさらに『ロール』の練習も。というか、こっちがメインでマニュアルはそのためのおさらいみたいな?

ロールとマニュアルでは似ているように思われますが、『身体がコブを乗り越える』という動作が加わること、後ろタイヤを『下に踏む』動作が加わることなどなど新たに加える動作が多いのです。

ロールができないなーって方は、コブに対して体の上下動が小さく、腕や脚の伸縮だけでアクションを行おうという方が多いように思います。

実際には、一番重たい『ライダーの身体』も上下に動かないと、前タイヤは上がったにしても後ろタイヤがコブの頂点を超えてくれずに失速&前タイヤ落ちるなんて状態になりがちです。

この日は、経験者だったこともあり、このコブとコブの間をジャンプ(キャニオン)で超える体験をしてもらい、まず身体がちゃんとコブの上まで伸びることや後ろタイヤがちゃんとジャンプランプのリップ(端)まで走ることを感覚的に覚えてもらい、そのあとにロールに移行してもらった結果ほぼ成功するようになったと思います。
先にジャンプをすることによって、身体がしっかりコブの上まで伸び上ることを覚えたために、ロールに入る時にも後ろタイヤがコブを登りきるまでに身体の高さによる抵抗をかけないようになったこと、その後に自転車の上に位置している体によって斜面を降りる後ろタイヤをさらに上から踏みつけられるようになったことなどが成功の原因です。

ロールは、よほど低速だったりコブが低かったりしない場合、後ろタイヤがコブの下りに差し掛かった時に後ろから前に力をかけるとひっくり返りやすくなりますし、加速もしてくれません。
「後ろタイヤはコブを越えたら上から踏む」ことで、斜面に押し付けられたタイヤは前に向かって転がりますし、身体も一緒に前に運んでくれます。

理屈はさておき、とても良い形のロールになったので、僕もとても気分が良かったです(笑)

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だいぶ長くなりましたが、そんなこんな9月の寺子屋でした。

この日は午前の部だけだったので、午後は自分の練習するか動画でも撮影しようかなって思ったんだけど、暑すぎて断念。

でも、せっかくなので『ちょっかり(直滑降)』を試してた。
久しぶりにやるとやっぱり楽しい。
週末のリトルバイキングでやろうかな。久しぶりに。

来月はまだ開催日が決まっていません。。。

また決定次第ご報告いたしますので、またよろしくお願いします。

ではでは。