動画:【前編】『”キッカケボード”のすゝめ 〜お手軽ミニジャンプ台でマニュアル&ジャンプ〜』について解説と補足

先日表題のような動画をアップしたので、その解説をしようと思います。
だいぶグダグダ書いてしまい、前編と後編(こちら)に分けました。

■ Index
0:00~:キッカケボードの作り方
1:30~:コマニュアル(前タイヤを当てて上げるだけ)
2:50~:マニュアルの目標に
3:55~:ちょっと跳ぶ
5:50~:もっと高く跳ぶ
7:33~:おわりのくどくど

動画を見返したりする時には上記のINDEXをご利用くださいな。
※YouTubeのページの[説明]欄にも書いてあります
※時間のところをクリックするとその場所から動画が始まります(別タブが開きます)

実は、数年前に一度作りかけてたんですが、、、ウダウダやってるうちに立ち消えてて(いつだったかと探してみたら2015年11月じゃった・・・こちらの投稿

それからもたくさんの方にレッスンで体験・練習してもらい、内容もこなれてきたので改めて撮影しこうして公開に至った次第でございます。

今回の解説は、いつもよりさらにひたすら長くなってしまいました。。。
でも一つでもヒントになることがあるかもしれないと思っていただければ幸いです。

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■ 始まり『キッカケ・ボードの作り方』

0:00~:キッカケボードの作り方

動画の最初は、リュックから出てくる『キッカケボード』で始まります。
このくらい簡単に持ち運べるよっていうのを表現してみたつもりです。

普段このブログでは『キッカケ板』と呼んでる『角材に立てかけた板』を使って、マニュアル(前タイヤをあげて走っていく)やジャンプの練習をしますよって動画です。

この練習方法では、『角度のついたボード』を利用することで比較的容易にタイヤを浮かせることで体力的負担を減らしてマニュアルやジャンプの練習をお手軽にできるということを目的にしています。

ただ前タイヤを浮かして下ろす『コマニュアル』から『マニュアル』の目標として。
さらに、キッカケを利用して『ちょっとジャンプ』から『より高いジャンプ』へ、そして最後はキッカケなしで『バニーホップ』に繋げていけるように考えています。

これらのテクニックをタイミングよくライダーの動作によって行えるようにし跳ねる力を身につけることがこの練習方法の主眼になります。

ですから『キッカケボード』の角度は、あまり急にならないように設定しています。

これは、あまりに急な角度にすると、ただ当たるだけで自転車が弾かれて跳ね上がるようになってしまうためです。
そうなると、身体動作によって上げたり跳ねたりするのではなく、勝手に浮いてくる自転車に身体を合わせ、跳ね上がりを抑えるような動作になります。(説明長くなるので省きます)
そうなると、今回の主眼である『動作によって跳ねる力をつける』とは動作が逆になるためにあまり目的に適してはいないと考えています。

そのために『ボードの角度・高さ』は30~40mmくらいに抑え、あくまで『補助具』に徹してもらいます。

当然、ホィール径が違うと同じボードの角度であっても跳ね方が変わるので、小さめのホィールの場合は低い設定。大きめのホィールの場合は高めの設定で使用。
大きめのホィールの人でも低い設定でできるようになれば、ボードなしでのジャンプ=バニーホップがより近付くことになりますね。

どうしてもタイヤが当たる感触がわからないという方は、もう少し太い角材にし角度を急にして練習しても良いと思います。ただ、ボードに当たる感触がわかるようになったら動画くらいの角度に戻すようにした方が良いでしょう。

ボードによってかなりタイヤは浮きやすくなりますし、それによって体力の消耗も少なくなるので何度も練習することが可能になります。
いろいろと自分で工夫しながら何度もチャレンジしいろいろ身につけていっていただければなぁなんて思っています。

ということでここまでが長〜い前置きでした。

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■ 『コマニュアル』『マニュアルの目標に』

1:30~:コマニュアル(前タイヤを当てて上げるだけ)
・2:50~:マニュアルの目標に

↑『コマニュアル』から始まります

『コマニュアル』は、昔テクニック本を作った時に適当につけたテクニック名です(笑)

動作としては『キッカケ』を使ってマニュアルっぽく前タイヤを浮かしてすぐに下ろすだけ。

目的は、

  • 『前タイヤがボードに当たるタイミングを覚えること』
  • 『当たるタイミングに合わせて動作を行うこと』

です。

タイミングを計るには『よく見る』ことが大切。

よく「テクニック時にどこを見るのか?」という課題があるのですが、これは『とりあえずの目的地』もしくは『力を加えたい場所』を『顔ごと見る』のが良いです。

上の写真の場合は、これから前タイヤをボードに当てるので、ボードを見ているわけですね。

前タイヤが浮いたら前タイヤをコントロールするので前タイヤを見ます。

また、動作前にここまで頭が低く前に出ているのには理由があります。
(正確には、『股関節で身体を曲げて上半身を頭から前に倒している状態』を作り、そのあとに頭(顔)をさらに前に出した状態)

この後、タイヤがボードに当たるタイミングで身体を後ろへ引き、その動作によってハンドルを後ろへ引き前タイヤを浮かします。
この身体(頭)の位置は、そのための『助走』をとった状態で、前に大きく出ている分、後ろへ引く移動量も大きくなります。

また、こうして頭が低くしていると、腰”だけ”が大きく動くことを防ぐことができます。

この『腰”だけ”が前に出る=大きく動く』という癖はわりと多くの人に見ることができます。
詳しい説明は省きますが、この動作の場合腰は移動しても肩や胸などの移動量が減るために、結果として体は大きく動かしたつもりでもハンドルを後ろへ引く力を伝えることができません。

頭を低く前に出すこと、そして頭を主体に動作をイメージすることで、この腰”だけ”が移動してしまう癖を修正していくことが狙いの一つです。

次に、どのタイミングで動き出すのか、ということです。

これは『前タイヤがボードに当たるタイミングで、ちょうど後ろへ引く力がハンドルに伝わる』ように動作を行います。

つまり、動き出しはボードに当たる前から行っているわけですね。
ですから『ハンドルに動作の力が伝わる』瞬間を動作のアクセントの一つとしてタイミングを合わせます。

動画のこの箇所では、僕の動作が少し遅れ気味なのですが(笑)それでも浮くのでそれほど厳密に考えなくても大丈夫ですよ(自己擁護)。

ハンドルを引く動作については、自転車によって違いがあるので説明が少し曖昧になります。

動画中では『カタとコシで引く』としていますが、これは間違いありません。
背中の一点を意識して引くよりも、胴体の上部(肩・頭)と下(腰)を意識してその両方を動かすイメージをすると良いかな、と思います。

ただ上の方で書いたように腰だけが大きく動く方が多いので、実際には特に『肩』または『顔』を意識してもらうと良いかな、と思います。
十分に頭を低くセットできていれば『顔を真後ろに引く』で成功することも多いです。

『マニュアル』について

動画中、割とあっさり『(平地からの)マニュアル』を入れていますが、これはボードの動きをそのまま平地に移してあわよくばそのままできるかもなー(実際できる人がいる)という期待?を込めてのことです。

実際には、ボードある無しでは若干動作に違いがあります。

ボードに当てずに『マニュアル』を始めるときは、ボードに当てる時よりも『“より”真後ろに引く』イメージをします。
(くどくなりますが、腰だけ動かさないようにね)

また、その際には、頭の高さが変わらないようにすると『後ろに引く力』がしっかり伝わります。
頭の高さが変わるということは上半身が起き上がるということで、そうなると(説明中略)ペダルを押さえ込んでしまう力を生むことがあります。

また、腰だけが動く傾向にある方は、体が後ろへ移動した時に膝が伸びきる傾向にあります。
ご自身の動作を確認するのにヒザの伸びを目安にするのも良いかもしれません。
これも頭や肩の後ろへの動きを意識することで修正することができます。

以上のように、ボードがなくなった途端前タイヤが浮かなくなった方は『肩』『顔』『頭』が『より真後ろ』に動いているかを気にすると良いと思います。

どうしても前タイヤが上がらない場合は、はじめ頭を前に出す時に少し高めにしてみるといいかもしれません。
ただし、あまり大げさに高くすると、タイヤが浮いたあとのコントロールが難しくなるのでほどほどに。また、上がるようになったら少しづつ低くしてみてください。

一方、前タイヤが上がりすぎてしまう方は『肩』や『顔』だけが後ろに大きく動いているか、腕を曲げてハンドルを『持ち上げて』いることが考えられます。

この時の特徴としては『顔』が仰け反る(上を向く・目だけで前を見ている)状態になるので、『顔の正面で見る』ことを意識すると修正できると思われます。

また『ヒジが曲がる』は自転車の設計やポジションによってはどうしても必要な動きである場合があります。その場合、引く方向が胸かそれより高い方向でなく、おなかくらいのイメージ(ヒジを後ろに引く)感じになるのでは?と思います。
(自分はそうならないポジションの方が得意なのでいまいち自信がない)

前タイヤが浮いた後、そのまま走っていく(マニュアル)ためには、あまり前タイヤが高く上がらない方が望ましいです。
ただ、これも自転車によっては高い位置で安定するものもあるので、見た目の高さだけで判断できないのが難しいところ。。。

前タイヤが浮いて走れば良いくらいに思っていればいいのですが、前タイヤを「上げよう!!」と思っていると背中が後ろに反りかえるような姿勢になり、このあとに続く『後ろタイヤを浮かせる=身体が跳ねる動作』ひいては『バニーホップで高く跳ぶ』が難しくなるので注意です。

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と、だいぶ書き散らかして超長くなったので、ここで一回区切ります。

また[後編]もご覧くださいね。

ではでは。