解説:【フロントタップ】後ろから前に乗る(2022.4.19)

 先日「 YouTube:凸凹支局」と各SNSにアップしたこちらの短い動画。

最近YouTubeには再生速度をいじれるらしいです。
スローをご所望の方はご活用くださいませ。
(スロー入れるの忘れたので)

 思った以上に反応があって(主にTwitter)びっくりしたので、ちょっと補足説明をと思いこうして書いています。

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 この一連の動作は、最初ジャックナイフから始まります。
 以前にも書いたように、ジャックナイフから動作が始まると「静止すること」にあまり意識を奪われることながないので楽じゃないかな、と。前ブレーキがある前提ですが。
(そのうちに「ジャックナイフから始めるシリーズ」としてまとめようかと)

 動作自体はあまり複雑ではなくさほど力も入らないのですが、「後ろから前に移る」動作を全体の流れの中で他よりも早く強く動くアクセントにする=ここを動作のピークにして動作のメリハリを考える感じなのがコツです。

 

 一番最初の動きから。

 ジャックナイフ後に、後ろタイヤから前に移る動作は、「大きく後ろに跳ぶ」での「頭を前に入れる」動作をより早く強くする感じなので、あまりこういう動きに慣れてない方は先に「大きく後ろで跳ぶ」に慣れておくと楽かなぁと思います。

 

 「大きく後ろに跳ぶ」との動作上の違いは、

  • あまり上に跳ばない
  • 前タイヤを身体の下に引き入れる

の2点です。

 後ろから前にスイッチする時、身体を大きく上に跳ねるようにすると「滞空時間」は稼げますが、その分着地の衝撃が大きくなります。(位置エネルギーの増大)
 また、上に跳ぶ動作に力を取られて、「頭を前に入れる動作」に入るタイミングも遅くなりがち。

 腰は高く飛ぶものの、頭は勢いよく前に入れる感じ。
 この時、やはりハンドルは体の下の方へ引き付けるようにします。
(頭の前移動とハンドルの後ろ移動で、その位置関係の変化が力強くなる)

 もう一点、「前タイヤを身体の下に引き入れる」意識を「頭を前に入れる動作」の時にもつことで、「頭は前+前タイヤは後ろ=早く前タイヤに乗りやすい」となります。
(それぞれの動作の反作用を利用してより早く姿勢を変化させられるということ)

 難しいと感じる方の動きを見ていると、着地点を「頭より前」または「頭の下」のイメージをしているように思います。

 そういう方は、大袈裟なくらい「前タイヤを体の下に引き込む」ように動くと、案外できるのではないかと思いますよ。

トライアルでいう「前刺し」は、もっと前に跳ぶ上に前タイヤ着地後もさらに頭から前に出るので姿勢も低くなる(ヒジが曲がる)のですが、ここでは「タップ(止まる)」ことが目的なので、腕を突っ張って耐えます。違いを知っておくと使い分けがしやすいですね。

 どうしてもできない時には、「手・腕で前タイヤを地面に送る」ことをしてるかもしれません。
 着地では、きちんと「身体の正面で前タイヤの上に乗る」イメージを持つといいですよ。

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 動画の後半の『応用』の時のように、後ろタイヤと入れ替わる(スイッチ)する時には、ここまでの説明よりも最初に引き起こす動作が大きくなりより高い位置まで前タイヤが上がります。

 この「引き起こす」「ハンドルを引きつける」が速いほど、自転車が後ろに移動する力になります。

 ですが、その動作によって身体(頭・上半身)は、前に出るタイミングが遅れやすくなります。
 ですから、後ろへ向けて跳ぶ動作をしながら、より素早く「頭を前入れ」&「ハンドル引きつけ」が必要になりますし、また「前タイヤを体の下に引き込む」もよりしっかり意識し、その上に「乗り込む」ようにします。

 ただ、後ろに下がる場合は身体的な素早さも必要になると思うので、いきなりは難しいかなと。あせらず徐々に徐々に。

 動作を始める時に、白線か何かを前後のタイヤでまたいでおいて、その白線に向けて前タイヤを乗せに行くのも練習としては良いかもしれませんね。

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 今回はこんなところで。

 ではまた。