動画:ちょびのり #39 『幅跳び:後ろから着地と前から着地』の解説

YouTubeに久しぶりの動画をアップしました。
“ちょびのり #39 『幅跳び:後ろから着地と前から着地』”。
トライアル的な『幅跳び』を二種類比べてみたよってものです。

基礎的なテクニックが多い僕の動画の中では、途中をすっ飛ばしてちょっと小難しい感じのもの。

トライアルの幅跳び、その着地には『後ろタイヤ着地』と『前タイヤ着地(&スイッチ)』の二種類があります。(両輪着地っていうのもできますが大きく幅跳びしたい時には関係ないので割愛)

一般的に、最初は『後ろタイヤ着地』からじゃないかな?
『前タイヤ着地』は、ちょっと怖いしいろいろとコツも必要なので後回しになることが多いです。

『前タイヤ着地』はいわゆる『前刺し』に近いですが、『前刺し』は文字通り前タイヤを段差のカドに『ぶっ刺す』動作のため、今回のいわば「前置き」と比べてもうちょっと付け足す?動作があり、厳密には違うと僕は考えています。

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後ろ着地になるように跳ぶ場合は、着地の時に『BBの位置=自分の位置』が高くなるので、前に跳ぶだけじゃなく上にも跳ばないと後輪が目的の場所まで届いてくれません。

もちろん、上に跳ぶだけでは目的地まで届きませんから、前にも跳ぶ必要があります。

この『前に跳ぶ(進む)力』をペダリングに頼ると、自転車だけが前に進み身体が置いてけぼりになります。
そうすると後輪が届いたとしても身体が目的の場所に届いていないので、後輪がギリギリ届いたとしても後ろにひっくり返ったり段差からずり落ちたりします。

ですから、基本的には『自分が着地まで跳ぶ』『身体の跳躍力で跳ぶ』ことを第一にイメージし、ペダリングは補助的に使う感じにイメージするといいかな、と思います。

また、上の連続写真では、身体が上に伸びた時、後輪の位置がとても低いですね。
これは、この後自転車を引き上げ前に送り出す動作が入るんです。

この『自転車を引き上げる動作』ですが、身体が十分に跳びきらない(伸びきらない)うちにこの動作に入ると身体はそれ以上跳ぶことができません。

これはバニーホップなども一緒で、自転車を引き上げる動作に入った瞬間に身体は上昇をやめ、その高さ以上には跳べなくなります。
ですから、この引き付ける動作は出来るだけ身体が跳んだ後、最後の一瞬だけで行うのが良いと思いますよ。

幅跳びの場合は、着地をできる限り「後輪を上から置く」ように意識すると自然と自転車を引き上げる動作に入るのではないかなと思います。
その時には、後輪着地点を『上から』『顔で捉える』ようにすると身体がその位置まで移動しようとしてくれるのでオススメ。

まとめると、まずは身体が発射、その勢い+ペダリングで自転車を追いつかせ、最後に後輪を着地点に運ぶ、という手順になります。

まあ一瞬のことなので、そんなこと考えてられないですけどね。

考えるのは「まず自分が跳ぶ」「後輪を上から置きに行く」の二点で十分です。

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前から着地を狙う時には、いくつか事前に練習することがあり、今回の動画はそのあたりあまりやさしくありません。。。
まあ着地した前輪に身体も載せることまでできれば、あとはブレーキ離すだけで進んで段差には乗れるので。。。またそういうのはジワジワ動画作っていきます。

上飛びついて前輪着地し、さらにバイクを前に進めるためには、着地した前輪の『上』に身体がしっかり乗ってる必要があります。
前輪が段差に乗っても、その時点で自転車だけを前に押し出すようにしていると、それ以上進めることができませんからね。

なので、前輪の着地と同時に、着地点にしっかり身体が載せれるよう『顔面』で『真上』から着地点を捉えるように意識します。※ 上の連続写真参照

そのためにはいくつかコツがあります。

まず、飛出しでは、後輪着地を狙う時よりも、低く前に跳ぶことになります。

後輪着地の時と同じように跳ぶと、前輪の着地点に対して身体が高くなり自転車(前輪)を腕で下に押しつけるような動作になりがちです。そうすると反作用で身体は着地点から離れていきますので、着地で前輪に乗ることができなくなるわけです。

跳ぶ時には、出来るだけ前輪を低くし(ハンドルの位置も低くなる)、後ろで”タメ”を作らないで、出来るだけ前の方で『瞬間的に』身体を落としすぐ跳ねるようにします。
『ダニエル』よりは『こぎ跳び(オットピ)』の方が近いかもしれません。

これ、僕は後輪着地ばかりしてきた人間なので後ろでタメる癖がついてて難しいんですよ。
ですから僕は前から着地しに行くときは直前に一回身体を真下に落として「低く!前に!」と『おまじない』をしてから動作に入るとうまくできたりします。
※ 実際はそこには落ちないんですけどイメージだけは。

ちなみに二つの跳び方の飛び出し時点の姿勢の差はこんな感じです。

前輪の高さで10cmくらい差があるのかな?
頭の位置も、前輪着地狙う方が低く、前に出ています。

腰の位置があんまり変わらないのは僕の自転車の特性ゆえで、今時のトライアル自転車の場合は、もうちょっと腰の位置も差が出るかも?

で、こっからこう、、、

頭からいく前輪着地と、上に跳んで自転車を送る後輪着地の姿勢の差。

この動画は、これを見せたくて作っただけなんです。ほんとは(笑)

あ、飛び出しで段差のカドをうまく使えるとより前にビョーンって跳ぶんですけど、僕のセクションは固定しておらずカドに乗っかると動いちゃうので使えないんですよね。と「カド使わんかい!」って言われそうなので先に言い訳しておきます。

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後半に出てくる『ショートな自転車』っていうのは、まあ僕の自転車のことで、ストリート系のバイクもこれに当たります。

ハンドルが近くて高いと、前輪着地を狙って低く前に跳ぼうとしてもハンドルが邪魔してくれちゃって腰が前に出ないんですよ。
もうちょっというと、僕の自転車は軽量化もしてないので、飛び出す時にあんまり前輪を低くするとそのまま落っこちちゃうかもう一度引き上げるのに苦労します。(引き上げるのは筋肉でなんとかなるけど、重量バランスの部分はどうしようも無い。軽量化する以外)

で、僕が好きなのは横っ飛びで、これだとハンドル邪魔にならないんですよね。なので低く跳べるし、実際着地の時の勢いもあるでしょ?

前輪を横に振る勢い(僕の自転車はフォークが重いから普通より強い)も利用してるように感じてはいますが、実際にそうなのかはよくわかりません。個人の感想です(笑)

あとは、真横じゃなくても斜めとかにするだけでも、跳ぶ=身体が伸びる時にハンドルを躱せたりするので、僕は基本的に少しだけでも斜めにして跳ぶことが多く、いつもそうやっているのでどまっすぐは苦手だったりします。。。

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で、全部通じて一番意識して欲しいのは『顔』の向きと位置。

前輪でも後輪でも着地地点を『顔の正面』で『真上から』捉えられるように動くと、自然と身体がその位置に動きます。

この『顔面で捉える』は、僕のレッスンでは耳タコワード(=耳にタコができるくらい出てくる言葉)です。
ジャンプだろうが段差だろうがジャックナイフだろうが、必ずこの『顔面』が出てきます。
身体各部の筋肉や末端を意識するよりも、こっちの方がスムーズに体の各部の連動が行われると考えているからですね。

なーんか動作が安定しないなっていう方は意識してみると良いと思います。

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長くなりましたが、言葉で説明するとこんな感じ。写真も使ったけど。

おい、マニュアルの動画はどうなった?ってお声が飛んできそうですが・・・基本的なことほど解説が難しく・・・ちょっと気晴らしにヒョヒョイって作れるのを先に作っちゃった次第。

では。